2006-01-01から1年間の記事一覧

第3話『南極の対決』

脚本/辻 真先 演出/芹川有吾 原作の「ノイエナチス編」からアレンジ。派手な冒険活劇である。冒頭のカーレースの画質がちょっと違うが、これは劇場映画版からの抜粋である。このアニメはこの手法をよく使う。 レーサーである009はこのレースで事故に巻き…

第2話『Xの挑戦』

脚本/辻 真先 演出/芹川有吾 第2話はいきなり見違えるように気合の入った作品。第一話で「彼らにサイボーグの悲哀はない」と書いたが、このアニメではそうした影の部分は相手側が請け負う、というコンセプトが明らかになる。 サイボーグXと名乗る飛行艇に乗…

第一話『恐怖の怪人島』

脚本/伊上 勝 演出/田宮 武 考えてみると、TVアニメがスタートした時、漫画の方では、あの伝説的なラストを持った「地底帝国ヨミ編」は終わっていた。第一話は人気に押されて再スタートした後の話「怪人島」がベースというのは、今となっては違和感を感じる…

モノクロ版『サイボーグ009』(1968年4月〜9月)

とうとう買ってしまった・・・とは言っても結構前に購入したのだが、なかなか面白い話もあるのでちょっとレビューを書いてみる。 ボックスの絵は石ノ森章太郎の直筆である。「ノイエナチス編」の南極の情景を描いたもので、雑誌の特集号のものだろうか。カラ…

『男たちの大和』

とにかく「回想形式」というのが好きになれない。盛り上がってきたところで場面変わってさて現代では・・・とか一々やられて苛立たないですか?現代の視点を入れると、何か高尚な気分になれるのだろうか。どうもよく分からない。 大和そのものの描写は原寸大…

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

クローネンバーグ監督らしく人間関係から暴力描写まで丁寧に描いているのだけれど、なんか「え、もう終わり?」とえらくあっさりし過ぎているのではないか。主人公にどんなすごい過去があるのかと期待しちゃったし。特にエド・ハリスの出番にはまさに「え、…

『ナイロビの蜂』

これも良い映画である。文部科学省特選にすべきだ。『シティ・オブ・ゴッド』の監督とは知らずに観る。あまりにもリアルな貧民街の描写に、なんかあの映画に似てるな〜とは感じていたが・・・。『シティ・・・』に比べると時間軸の並べ替えはそんなに複雑で…

『太陽』

家から歩いて15分の映画館で見る。 これはいい映画である。イッセー尾形はもちろん良かったが、佐野史郎もよかった。正直言って、他国の重要人物の内面にここまで迫ろうとは思わなかった(成功してるかどうかは微妙だが)。ソクーロフ監督の試みには嫉妬と…

『Vフォー・ヴェンデッタ』

『Vフォー・ヴェンデッタ』は、文部科学省選定と言われてもおかしくない、立派な映画だった。特に爆薬満載の地下鉄には涙が止まらなかった。その後の「鉄道での葬送」はソ連映画『人生案内』(誰も観てないよ・・・)へのオマージュであろう。 俳優の演技も…

『グエムル 漢江の怪物』(ネタバレ注意)

カンドゥの頭が悪い理由はかなり非科学的なものだった。そりゃ親父さんの思い込み・・・子供達は寝てる、聞いてない。それでも熱弁を振るう父。滑稽だが切ない、哀しいシーンである。 親父さんはその後怪獣に殺されるのであるが、このときのガンホの演技はす…

『グエムル 漢江の怪物』

感想を一言で言うと 「さすがジュノ!俺たち(日本人)ができないことを平然とやってのける!そこにしびれるあこがれるぅ!」ということであろうか。 普通、韓国映画と言えば、その軍隊である。実際、スパイ、陰謀もの、戦争ものではその兵器描写で、さすが…

ムンクの『叫び』が発見されたって。

http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200609010003.html

『ミュンヘン』

駆け込みで劇場で観る。町田にある「まちえい」というこじんまりとした映画館。11月には黒澤明特集もやる。 http://machiei.co.jp 『ミュンヘン』はすごい映画。『ジュラシック・パーク』以来の文句なしの傑作。これまでスピルバーグのシリアスものはあま…

NHKBS「カラーで見る昭和初期の日本」

貴重な映像の連続である。戦前の人々を見ると、現代人の体形の変化が見て取れる。着物を着た成人の女性を見ると、五頭身くらいしかないんじゃないか?ところで後半、恐ろしい映像を見てしまった。 戦争中、米軍は戦闘機にカメラを装備しており、銃撃すると自…

『王と鳥』(旧題『やぶにらみの暴君』)映画公開

http://www.ghibli.jp/outotori/theater/そろそろいいだろう、と考えたのかどうか知らないけれど、『カリオストロの城』のモトネタである『王と鳥』がジブリの手でとうとう劇場公開! あのカリオストロ城に激似の城が登場するので、驚愕する人もいるかも知れ…

実家へ行ってみたら、4,5年間行方不明になっていた『別冊宝島 怪獣学入門』(92年)が見つかる。

このムックは、『ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃』の発想の元となったと思われる「ゴジラはなぜ皇居を踏めないか?」「ゴジラは、なぜ南から来るのか?」と言った論文を始め、「ウルトラマンにとって正義とは何か?」などその後の特撮界の方向性を…

三月ころから映らなくなっていた衛星放送が突然映るようになった。

ちょうど山田洋次監督の『息子』やっていたので流し観。 こうしてみると明らかに『東京物語』の翻案と言うの?リメイクと言っていいくらい似てる。箱根行くし。酔っ払った戦友が「愉快愉快」とか、意識してるよなあ。初々しかった和久井映見が『日本沈没』で…

想像を絶する地獄が日本に現出する!

『日本沈没』と言うぬるい映画を観た後、思うところがあって山田風太郎の『戦中派不戦日記』を読んでいる。興味深い出来事の連続だが、特に昭和20年8月14日の日記には涙を禁じえない。 十四日(火) 晴(略)・・・・ この弱点を衝くには、今後十年とは…

実体験とあちこちのブログを読んでいて気がついたこと

辛気臭い日本画の展覧会『伊藤若冲と江戸絵画』入場者・・・・意外と若い人が多い。 豪華キャスト若者向きSF大作『日本沈没』入場者・・・・・・・・・・意外と年配の人が多い。これは一体・・・

『日本沈没』を観る

前評判が悪かったので覚悟していたのだが、観ている間そんなにひどいとも思えず、むしろ演出うまくなったなあとすら感じていた。のだが、3分の2くらい過ぎたところで、ええ!?の連続で驚愕と脱力のうちに終わる。 特●が悪いと言うのではない(あ、いやフ…

15日 上野国立博物館にて「若冲と江戸絵画展 プライスコレクション」

今回出展の絵画に出てくる動植物たちをちりばめたパンフのデザインも楽しく、やはり若者受けを狙ってるのか。 今や「日本画なんていつも決まりきった画題と型にはまった構図ばっかりで退屈〜♪」なんて言っている人はよもやいないと思うが、まあ確かに画壇と…

川崎岡本太郎美術館で「ウルトラマン伝説展」を観てくる。

http://www.taromuseum.jp/exhibition/exhibition_current.html マニアにとっては、既知の説明がほとんどだろうが、成田亨による怪獣デザインの原画群(鉛筆に彩色)は実に素晴らしいもの。ウルトラマンの怪獣が芸術として想定されていたのがよく分かる。特…

岡本太郎の幻の巨大壁画、『明日の神話』を見てきました。

原爆を題材にした、いわば日本の『ゲルニカ』。 8月31日まで一般公開されるが、それ以降の展示の目途は立っていないと言う。 ちょっと小さいが、ほぼ同じ絵を川崎市岡本太郎美術館でも観る事ができる。 写真撮り放題だが・・・ 第五福竜丸? 原爆の炎に焼…

森塚敏氏亡くなる。

http://www.asahi.com/obituaries/update/0619/001.htmlどこも『ウルトラセブン』(http://d.hatena.ne.jp/Joetip/20040616)のことは書いてない・・・ あのロボットコンビはすごい人たちだったんだよな。ご冥福をお祈り申し上げます。

私がどういう人間なのか見えてこないというご意見をいただきましたので セキュリティ上問題ない範囲で机の上を公開しましょう。

私事ですが、今回使われた映画音楽のリストを貼っておきます(演奏順)。映画題名 『曲名』 作曲者 ロード・オブ・ザ・リング王の帰還 『王の帰還』 ハワード・ショア 山猫 『VALZER DEL BRILLANTE』 ジュゼッペ・ヴェルディ 第三の男 『ハリー・ライムのテ…

映画秘宝6月号

最近は「映画秘宝」も買ったり買わなかったりだ。私はカンフー映画に詳しくない、というか興味がない(それでもジャッキー・チェンと山口和彦監督の映画は観る)。あとこの雑誌でやたら推している三池監督の映画のどこがいいのかさっぱり分からん。というわ…

『ホテル・ルワンダ』

都内では渋谷シアターN(前ユーロスペース)でまだ上映されています。 とにかくドン・チードルは素晴らしい演技だった。演技というか、もはや彼そのものが素晴らしいというべきだろうか?彼に目を付けたテリー・ジョージ監督もえらい。ストーリー的には単調…

日韓摩擦と『48億の妄想』

48億の妄想 (文春文庫)作者: 筒井康隆出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1976/12/25メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (22件) を見る世の中、嫌韓ブームらしい。今の若い人にはこれは新鮮なことなのだろうか?それにしてもなぜ筒…

逝ける人を偲んで

映画監督のリチャード・O・フライシャー氏が3月25日に亡くなられた。89歳だった。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 不思議な映画作家だと思う。キューブリック論やフェリーニ論、ジョン・フォード論、さらにスピルバーグ論さえよく見聞きするが、フ…