2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

第15話『悲劇の獣人』

脚本/辻真先 演出/勝田捻男 これは相当の問題作で、そもそも原作も改変が進み、いまではかなり変わってしまっている。もっとも観た当初の印象よりもゆるい演出だったので、ちとがっかりした。 嵐の夜、張々湖飯店の近くで交通事故があった。007はかけつけ…

第14話『呪われた砂漠』

脚本/伊上勝 演出/勝間田具治 こともあろうに「中東編」をアニメ化。『宇宙水爆戦』の昆虫人間からインスパイアされたと思われる巨大ロボットも一応でてくる。もちろん中東戦争に言及することなくこれまた他愛の無い話になっている。思うに原作を下敷きにした…

第13話『悪魔城の秘密』

脚本/伊上勝 演出/宮崎一哉 原作「地底帝国ヨミ編」の登場人物を使って、全然別のストーリーにしてしまった作品。 冒頭、エッフェル塔、自由の女神、ロンドン橋、ピラミッドとスフィンクス、日本の国会議事堂が次々と無造作に破壊される。それぞれがものすご…

第12話『天かける巨人』

脚本/辻真先 演出/芹川有吾 このシリーズを観ていて感心するのは、毎回毎回、まったく違うジャンルの話を持ってくるということである。脚本はもとより、資料集めとかも大変だったのではないか。 今回の内容は「プロジェクトX」である。 ルネ博士は生涯をかけ…

第11話『黄金のライオン』

脚本/高久進 演出/永樹凡人 原作はもっと難しい話だったような気がする。昔、原作マンガを読んで「アイソトープ」という単語を覚えた。 009、007、003の3人は008から要請を受けてケニアへ飛ぶ。009は飛行中にキリマンジャロ周辺で、米軍の最…

第10話『地底の黄金宮殿』

脚本 伊上勝 演出/宮崎一哉 005が主人公である。アメリカの中南部、テキサスの辺りか?サボテンが点在する荒野を馬で歩いている005。そこに老人が駆る幌馬車が疾走してくる。幌馬車を追っているのはいかにも悪人顔の武装したメキシコ人の一団。むろん…

第9話『悪魔は夜歩く』

脚本/辻真先 演出/勝間田具治 前回に続いて、009以外の石ノ森作品からの転用。今回は『怪人同盟』から。『怪人同盟』は3人の仲良し高校生が謎の知性から超能力を授けられ、その能力とチームワークで事件を解決していくというマンガである。何故彼らに超…

第8話『金色の眼の少女』

脚本/小沢 洋 演出/新田義方 スキーをしに来ていた009、003,007は嵐のため、山小屋に泊まっていた。主人はこんな日には若い女の幽霊が出るとか言って007を脅かす。するとホントに扉を叩く音が・・・。ずぶぬれの若く美しい女性が倒れていた。あ…

第7話『消えたスクールバス』

脚本/佐藤純弥 演出/田宮 武 脚本はなぜか佐藤純弥。そのせいか分からないが、なんとも変な話である。 一人の子供が、白昼、科学技術省に乗り込み金庫を怪力でこじあけ、機密資料を奪う。捕まえようとすると電撃パワーで打ち倒される。ビル街をものすごい速…

第6話『ガラリヤ王救出作戦』

脚本/辻 真先 演出/藪下泰次 田中亮三 このシリーズの特長がよく出ている作品。009たちが国家に介入し政治改変に積極的に加担するという話である。たとえば007(ジェームズ・ボンドの方)は資本主義社会の維持のために、それを阻もうとする勢力を退治…

第5話『あゝ クビクロ』

脚本/小沢 洋 演出/勝田捻男 石ノ森ファンならばクビクロの物語を知らない者はいないだろう。名作だが、あまりにも短い話なので30分アニメでも話がもたない。そのため、前半は新たな脚色がなされているのであるが、これがあんまりうまく行っていない。原作…

第4話『宇宙魔人』

脚本/伊上 勝 演出/勝間田具治 豪華客船ミスオーシャン号。一等客室で黒人夫婦がくつろいでいる。 「あと二日で懐かしいアフリカの土が踏めますわ。」「ストックホルムからニューヨーク、そしてハワイ。君も疲れただろう。」「いいえ、あなたの研究がノーベ…

第3話『南極の対決』

脚本/辻 真先 演出/芹川有吾 原作の「ノイエナチス編」からアレンジ。派手な冒険活劇である。冒頭のカーレースの画質がちょっと違うが、これは劇場映画版からの抜粋である。このアニメはこの手法をよく使う。 レーサーである009はこのレースで事故に巻き…

第2話『Xの挑戦』

脚本/辻 真先 演出/芹川有吾 第2話はいきなり見違えるように気合の入った作品。第一話で「彼らにサイボーグの悲哀はない」と書いたが、このアニメではそうした影の部分は相手側が請け負う、というコンセプトが明らかになる。 サイボーグXと名乗る飛行艇に乗…

第一話『恐怖の怪人島』

脚本/伊上 勝 演出/田宮 武 考えてみると、TVアニメがスタートした時、漫画の方では、あの伝説的なラストを持った「地底帝国ヨミ編」は終わっていた。第一話は人気に押されて再スタートした後の話「怪人島」がベースというのは、今となっては違和感を感じる…

モノクロ版『サイボーグ009』(1968年4月〜9月)

とうとう買ってしまった・・・とは言っても結構前に購入したのだが、なかなか面白い話もあるのでちょっとレビューを書いてみる。 ボックスの絵は石ノ森章太郎の直筆である。「ノイエナチス編」の南極の情景を描いたもので、雑誌の特集号のものだろうか。カラ…

『男たちの大和』

とにかく「回想形式」というのが好きになれない。盛り上がってきたところで場面変わってさて現代では・・・とか一々やられて苛立たないですか?現代の視点を入れると、何か高尚な気分になれるのだろうか。どうもよく分からない。 大和そのものの描写は原寸大…

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

クローネンバーグ監督らしく人間関係から暴力描写まで丁寧に描いているのだけれど、なんか「え、もう終わり?」とえらくあっさりし過ぎているのではないか。主人公にどんなすごい過去があるのかと期待しちゃったし。特にエド・ハリスの出番にはまさに「え、…

『ナイロビの蜂』

これも良い映画である。文部科学省特選にすべきだ。『シティ・オブ・ゴッド』の監督とは知らずに観る。あまりにもリアルな貧民街の描写に、なんかあの映画に似てるな〜とは感じていたが・・・。『シティ・・・』に比べると時間軸の並べ替えはそんなに複雑で…

『太陽』

家から歩いて15分の映画館で見る。 これはいい映画である。イッセー尾形はもちろん良かったが、佐野史郎もよかった。正直言って、他国の重要人物の内面にここまで迫ろうとは思わなかった(成功してるかどうかは微妙だが)。ソクーロフ監督の試みには嫉妬と…

『Vフォー・ヴェンデッタ』

『Vフォー・ヴェンデッタ』は、文部科学省選定と言われてもおかしくない、立派な映画だった。特に爆薬満載の地下鉄には涙が止まらなかった。その後の「鉄道での葬送」はソ連映画『人生案内』(誰も観てないよ・・・)へのオマージュであろう。 俳優の演技も…