第9話『悪魔は夜歩く』

脚本/辻真先 演出/勝間田具治
前回に続いて、009以外の石ノ森作品からの転用。今回は『怪人同盟』から。『怪人同盟』は3人の仲良し高校生が謎の知性から超能力を授けられ、その能力とチームワークで事件を解決していくというマンガである。何故彼らに超能力が授けられたのかは分からない。しかも授けっぱなしで、その能力を何に使うかは彼ら自身に任せられている。まさに「己の欲するところをなせ」(「果てしない物語」)と言ったところであるが、もちろん行動には責任というものが生じるわけで、使い方次第で人間性が問われるわけである。
夜の東京、トラックが破壊され、コ○キは惨殺され、自動車は破壊された上に何かを目撃した母親は娘の目の前で発狂してしまう。たまたま居合わせた009は途轍もない力を持った猛獣の仕業のようだったとギルモア博士に報告する。
女性に化けた007をおとりに張り込んでいた009だが、ほどなくバケモノに遭遇する。009の見立ては「キチ○イ病院から抜け出したゴリラみたいだ。」 怪物と格闘した後、行方をくらますのだが、正体は案外すぐわかる。博士(原作では城戸博士)はエネルギー集中剤(人間の能力を極限に集中させて労働コストを引き下げようとしたらしい。財界の要請か?)を開発していたら、人間の獣性を目覚めさせてしまう薬ができてしまったという。そして博士自身、その快楽のとりこになってしまったのである。すっかり反省した博士だが、格闘の時に、栄養剤に似た容器に入った薬が他人の自動車の中に入ってしまったことに気がつく。自動車の持主は旅客機のパイロットだった。彼はそうとは知らず飛行中に薬を飲んでしまうのだが・・・
ラストが結構泣かせるのだが、ホラー的演出は成功していない。キ○チガイになったお母さんのその後が気になる。