第8話『金色の眼の少女』

脚本/小沢 洋 演出/新田義方
スキーをしに来ていた009、003,007は嵐のため、山小屋に泊まっていた。主人はこんな日には若い女の幽霊が出るとか言って007を脅かす。するとホントに扉を叩く音が・・・。ずぶぬれの若く美しい女性が倒れていた。あわてて彼女を中に連れ込み、介抱するが、その眼は金色をしていた。ビビる主人と他の客。主人は「やはりバケモノだ、追い出そう。」ってとても現代の発想じゃないな。それに対して009は「金色の目だっておかしくないだろう。青い目や茶色い目の人だっているんだし。」とあまり説得力のないことを言う。彼女はプラチナ製のカバンを大事そうに抱えていた。娘はリタと名乗る(声:白石冬美)。何でも悪い奴らに追われているということで、009たちは彼女を守ってやることにする。007は彼女にジェームズ・ボンドと名乗って笑いを取る。『007は二度死ぬ』が流行っていた時代である。
はっきり言ってリタはシリーズきっての清楚な美女である。子供のころTVを見ていて、彼女が苦悩したり、「あ・・」とよろめいたりするシーンを見てクラクラしたものである。今で言えばニジコン、リタたん萌えだったと言えよう。
さて翌日、山小屋を発つと、近くのダムが大爆発し決壊する事件に遭遇する。下流の町は水没し大惨事である。009は周辺の地面に特異な物質を発見する。ギルモア博士の分析によれば、新種の爆薬だと言う。この爆薬がさらに使用されれば、地球のあらゆるものが破壊されるだろう。
その夜009は夜空を眺めながらリタと話す。「信じられないなあ、こんな美しい夜空の下でそんな恐ろしい陰謀があるなんて。ねえリタ、君はそう思わないか?」「そうね・・・」「どうしたんだい、元気が無いね。そうかまだ心配なんだね。」背景が部屋から抽象的なデザインに転換する。「大丈夫だよ、今度君を狙う奴が現れたら今度こそ許さないから。」「ありがとう、ジョー。」見詰め合う二人。どうみても恋愛モードだ。003の立場は・・・。
その後、空港、港、鉄道などが各地で爆破される。そのたびに黒メガネの謎の男たちが暗躍していることを突き止める。
事態を重く見たギルモアはアメリカから002を呼び出すが、002は途中で謎の戦闘機の攻撃を受ける。そのとき002が打ち落としたパイロットから日本地図を発見する。そこにはこれから破壊する目標が記されていた。次の目標地点と目される石油コンビナートを張り込んだ009一行であるが、裏をかかれ、京浜工業地帯が爆破される。我々の行動が筒抜けなのか?スパイは誰だ!002「彼女は大丈夫なんだろうな?」009「まさか・・・僕はリタを信じているよ。」一体何を根拠に・・・。
しかし次に裏をかいた009は敵を追い詰め、二人の黒メガネは車ごと崖から転落し、炎上(道路の真ん中に巨岩が。日本の道路って危険ですね)。その夜・・・リタの部屋に黒メガネが。「エリート3号、よくも裏切ってくれたな。1号と2号は死んだぞ。」やはり・・・「違うわ、私は裏切っていない!ジョーがわたしたちの組織を見破ったのよ!」「なに、本当か!」信じるなよ・・・。敵も味方も手玉にとる大したタマである。「ではこの時限爆弾で009を殺せ!」「え!」「念のため、このカバンは預かる。」「それだけはやめて!」一体何が入っているのか。爆弾を抱えて、苦悩の末彼女がとった行動は・・・
この回の原作は009ではなくて『金色の目の少女』というSF短編である。やたら叙情的な描写があるが、実際1965年に少女フレンドに掲載された少女マンガである。マンガの方は石ノ森らしく、より硬派なSFに仕上がっている。
第1話から第8話までの予告編(昔の予告編て最後までばらしてしまうのね)