『Vフォー・ヴェンデッタ』

Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]
Vフォー・ヴェンデッタ』は、文部科学省選定と言われてもおかしくない、立派な映画だった。特に爆薬満載の地下鉄には涙が止まらなかった。その後の「鉄道での葬送」はソ連映画『人生案内』(誰も観てないよ・・・)へのオマージュであろう。
俳優の演技もみな素晴らしいものだった。仮面を被っているのに表情を感じるというのは、不思議に思えるが、実際には我々は文楽とか人形アニメとかを普通に見ている。頭の中で仮面の顔の意味をその場その場で逐一解釈してるものと思われる。スティーブン・レイは相変わらずアイルランドそのものを一身に背負ったような役どころで儲け役。
演出はちょっとどうかと思うところがある。ビッグベンは最初の方で見せとくべきだと思う。そもそも英国全土の話なのに、町内の話にしか見えない。この時間枠内でここで語られる陰謀を万人に納得させるのは無理だろう。Vの誕生の背景などいらなかったか、示唆だけでも良かったのではないか。
終盤のトラファルガー広場に人が集まるのか否かというのも、もう少しサスペンスを効かせたほうが(みんなビビって出てこないよ・・・とか思わせた方が)良いのではないか?

ほかにも第三次世界大戦後もDELL使ってんのかよ、とか考えてみると次々に問題点が見つかるのだが、このテーマで堂々と娯楽映画にしてしまったことに意義がある。

人生案内 [DVD]

人生案内 [DVD]