第11話『黄金のライオン』

脚本/高久進 演出/永樹凡人
原作はもっと難しい話だったような気がする。昔、原作マンガを読んで「アイソトープ」という単語を覚えた。
009、007、003の3人は008から要請を受けてケニアへ飛ぶ。009は飛行中にキリマンジャロ周辺で、米軍の最新鋭ジェット機は消息を絶つと言うニュースを聞く。ジェット機は、コバルト爆弾の数十倍の威力を持つ「ゼットスター爆弾」を積んでいたという。空港で待っていた008が切り出した話はそれとは関係がなかった。「黄金のライオン」がキリマンジャロ周辺の村で暴れ周り困っていると言うことだった。ライオンは黄金色に輝き、火を吐いて家を焼き、空まで飛ぶと言うのだ。
無人の野となったキリマンジャロ周辺を観て回る009たちの前についに黄金のライオンが姿を現す。それはどう見ても地球上の生物ではなかった。しかしライオンそのものに悪意を感じなかった009は、ライオンの裏で人間が糸を引いているではないか推測する。
007の潜入調査によってその全貌が明らかになる。アルフレード博士はアメリカの学会から追放された恨みからゼットスター爆弾を積んだミサイルでニューヨークを攻撃しようとしていた。核テロである。今観るとしゃれにならない話である。スポンサーの武器商人は地球に落ちてきた宇宙生物、黄金のライオンをだまして秘密基地の周辺に人を近づけないようにしていたのだった。009「よし、行こう。世界の平和を乱すキチ○イ博士と戦争で金儲けを企む死の商人をやっつけるんだ!」
遺跡に隠された秘密基地に忍び込む009だが、落とし穴に落とされる。そのころアルフレードのたくらみを知った米軍作戦指令部では秘密基地総攻撃を決意。003「待ってください司令官。今ミサイルを発射したら009達が(泣)」司令官「あきらめてくれ、君たちの仲間も平和のための尊い犠牲になってもらうしかないな。」やはりアメリカは009たちの活躍を快く思っていないようだ。
後半の基地も様子は007映画の出てくるようなやつに似ている。やはり『007は二度死ぬ』の影響だろうか。前半は宇宙生物の脅威だったのが、後半は007調のアクションになって、どうも統一感に欠ける。アフリカが舞台だが008は全然活躍しなかった。