第14話『呪われた砂漠』

脚本/伊上勝 演出/勝間田具治
こともあろうに「中東編」をアニメ化。『宇宙水爆戦』の昆虫人間からインスパイアされたと思われる巨大ロボットも一応でてくる。もちろん中東戦争に言及することなくこれまた他愛の無い話になっている。思うに原作を下敷きにしたものに碌な作品がない。
世界初の原子力タンカー、メイフラワー号の進水式がある。ギルモア博士は設計者の鳴海博士と縁があって出席する。娘のサエ子(声:白石冬美)はお嬢様系の美人。メイフワラー号は従来のタンカーの5倍の速さ、10倍の石油をを積める。その上乗員は5人で済む。ギルモア「あのタンカーの完成で人類の文化は発達のスピードアップ間違いなし。いや、めでたい。」原子力で石油を運ぶ?妙な話に聞こえるが、専門的なことは分からない。
しかしメイフラワー号は、海上が突然真っ二つに割れてそこに飲み込まれて行方不明に。その後サエ子だけは洋上で救命艇で漂っているのを発見される。
色々あって敵はアフリカ大陸にいるらしいことが分かる。サハラ砂漠ということだろうか?しかし手ぶらで砂漠を歩くと言うのも無謀だ。砂漠の中にある遺跡で009たちはモーゼと名乗る男に会う。「ここから立ち去れ、神の怒りを知れ。」と叫ぶと砂漠が割れ、巨大ロボットが現れる。
なんだかんだで敵の陰謀が暴かれるのだが、首謀者の動機が泣かせる。「この俺は醜い!そのため小さいときから皆にいじめられ、いつも日陰者の生活を送ってきた。そんな俺が皆に愛され、尊敬される方法はただ一つ、絶対の権力、それは世界を征服し、偉大な人間になることだ!」美女のサエ子さんと比較されるので余計に悲しさが募る。しかしこうしたコンプレックスをバネに、海や砂漠を真っ二つに割り、巨大ロボットを作り、現実と見まがうホログラフ技術を開発したのだから、醜いということはすごいパワーを生むのだなと間違った感心の仕方をしてしまった。