『アウターリミッツ 完全版 1st SEASON DVD-BOX 1』(これでおしまい)

Joetip2005-05-10


人間とは何か・・・
第16話『火星人の実験』
毎回怪獣や宇宙人ばかり観ていてはお疲れでしょう、ということで(実は予算がもたない?)軽いコメディ調のものを合間に入れるのは日本のウルトラシリーズも同じである。
しかしこれはフレドリック・ブラウンの短編にありそうな、レベルの高い作品。
ダイモスは路地裏のしがない質屋とは仮の姿、実は宇宙の辺境地球の監視員であった。そこへ火星から派遣されたエージェント、フォボスが派遣されてくる。彼はこの高度に文明化された銀河連邦では見られない地球独特の現象である「殺人」に興味を持ち、徹底的に解明せよと命じる。
そこで二人はとあるホテルで起こった、男の浮気の発覚から女が男を射殺するという事件を観察することにする。「逆行機」と呼ばれる機械(あり合わせの材料で作ったようないい加減なデザイン)によって時空に介入し、あたかもビデオのように現実の空間を早送り、巻き戻し、スロー再生し、一時停止したりするのだ。これを作動させている間は彼らの姿は人間には見えない。これは実に便利なしろもので、私も是非欲しいと思ったものだ。
何度検証しても人間の行動がさっぱり理解できない彼らは、「こうなったらこの事件に介入してみよう。」と弾丸の弾道を変えてしまうのであるが・・・その結果、時空連続体にゆがみが!
とにかく二人の宇宙人(バリー・モース、キャロル・オコーナー)のボケと突っ込み、人間の行動に対する無理解ぶりが面白い。
早送りはカメラのコマ落としで撮られているが、スローは俳優がゆっくり動いて演じていて笑わせる。口もちゃんとスローで動かしている。もちろんその間を普通に動いている宇宙人を同時に撮るためである。巻き戻しはカメラ操作と演技の両方をうまく使いわけているようだ。最新の技術でリメイクしてみたい作品。


第17話『破滅の箱』
ホラー風味の話。前半『サイコ』、後半は『何がジェーンに起こったか』みたい。真相はSFだが。
駆け落ちした若いカップルが泊まるところを探してある大きな屋敷に転がり込むのだが、そこにはいかにも怪しげな成金趣味のおばさんが一人で住んでいたのだった。そして邸内で娘が失踪する。そして追って来た娘の父親もこの屋敷に来る。そしてある部屋に置いてある箱の前に立つと・・・。おばさん(ミリアム・ホプキンス)の役作りといい、南部のさびれた屋敷といい、やはりロバート・アルドリッチ監督の『何がジェーンに・・・』や『ふるえて眠れ』のベティ・デイビスを踏襲しているような気がする。


第18話『昆虫美人』
どうでもいいことだがこのシリーズに出てくる女性は巨乳が多い、気がする。ただTVものということでスター俳優を使うわけにもいかないのでそんなに美人はでてこないが、この作品のジョアンナ・フランクはなかなか妖しげな美女、いつも薄着である。この女性レジーナ(この名前で大抵の人はピンときてしまうのだが)が昆虫学者ベン博士の研究所にやってきて無理やり助手になってしまうのであるが、電波な言動にも関わらず、ベン博士は彼女の魅力に引き込まれてしまうのであった。
この博士の研究がすごい。蜂の言葉が分かるというのだ。蜜蜂の発する信号を彼の発明した蜂語翻訳機にかけると、「シンニュウシャハッケン」「コロセコロセ」「アッ、ウシロウシロ!」とか翻訳できるのだという。これはもうバウリンガルどころの騒ぎではありません。もっとも分かったことろでどうなる?とも思うのだが。最後は当然蜂の群体が人間を襲うのだろうと期待したが、特撮面ではチトがっかりな出来。