第44話『宇宙からの使者』

Joetip2005-12-08

とある民間の研究所に勤務しているエリック(ウォーレン・スティーブンス)は、逆磁力分裂理論(?)における詰めの方程式が分からず、婚約者ジャネット(ゲイル・コープ)にも当り散らす荒れる毎日だった。そこに研究室に突然やってきた陪審員#1じゃなかった謎の男(ロバート・ウェッバー)。二人のやり取りが面白い。「秩序ある社会では女の役割は出産のみ。」「何のために生きている?」「任務遂行だ。」「何が手に入る?」「知識だ。」「愉しみは?」「征服だ。」「原動力は?」「エネルギーだ。」「何のために?」「支配するためだ。」男はアイカーと言う、宇宙人だった。アイカーは感情というものを知らない。彼の星は個性というものの存在しない、一つの意思に全員が従うアリのような社会だった。アイカーは提案する。人間を研究するために感情というものを知りたい。君の感情と方程式を交換しよう。この方程式がなんとしても知りたいエリックはこの提案を受けてしまう。悪魔の取引をしてしまったわけである。
感情を失ったエリックは研究がはかどって磁力破壊装置を完成。一方アイカーはジャネットに「愛とは何だ?」とストーカーまがいに付きまとう。ジャネットはできた人で、アイカーをピクニックに連れて行ったりして、感情の何たるかを教えようとする。ここでもアイカーの世界を窺い知ることができる。「その社会が実在するとしたら、そこにはあなたみたいな人が?見分けはつくのかしら?」「違いはある。それが適正分類だ。賢い者は科学者、強い者は労働者、殺しが得意なら兵士・・・基本的には皆同じだが。」アイカーはそれが進歩した社会だと言う。適正分類は「なりたいものになる」というのとは違うよなあ。当時の共産主義のイメージなんでしょうな。後のほうで適正分類された人たちがやってくるが、同じ種族でこうも変わってしまう社会は恐ろしいね。
冷酷なロボットと化して最終兵器を淡々と作っていくエリックと、地球侵略に疑問を感じ始めるアイカーという、立場の逆転が面白いが、演出としては平板。