総評

これほどレベルが高いとは思いませんでした。並みの作品でも演技やセットには手抜きはありませんし、やはりこのころのアメリカのTVはすごいなと思います。子供向けに甘んじることなく、苦い結末のものも多い。それでも子供たちは食い入るようにTVを見たんですよ。
50年代の赤狩り、60年代のキューバ危機、その後のベトナム戦争への介入と、アメリカ社会はすっかり疲弊してしまいました。その一方で公民権運動をはじめとする市民運動が勃興しました。『アウターリミッツ』にもそうした機運を反映して、政治社会に対する悲観的でシニカルな姿勢と「それでも世の中良くしていこう」という未来への希望が感じられます。
またモノクロ映像の美しさはTV映画の範疇を超えている。

2ボックスはロバート・デュバル主演、ハーラン・エリスン脚本で、後のSF映画に多大な影響を及ぼした(というか『ターミネーター』のモトネタだろ!とエリスンがJ・キャメロンに対して訴訟を起こした)『ガラスの手を持つ男』に期待大。