第34話『宇宙に散った白血球』

Joetip2005-11-26

この邦題なんとかならんか・・・。『血を吸う宇宙』並みに奇妙な題名である。原題は『Cold Hands、Warm Heart』というかっこいいもの。
金星探査に行ってきた飛行士ジェフ(ウィリアム・シャトナー)は金星人にとりつかれ、白血球が欠乏していく。その治療と宇宙人退散に妻(ジェラルディン・ブルックス)が献身的なサポートをするという、「アウター・リミッツ」には意外とよくある夫婦愛もの。髪の毛振り乱した変なマペットの宇宙人が有名なのだが、話はあんまり面白くない。面白いのはシャトナーの演技。設定は夏なのだが、金星人に取り付かれた彼は体温が下がっていく。それで最初は上着を羽織るくらいで目立たないのだが、シーンが変わるたびに服装が厚着になっていく。最終的にはみんな薄着なのに、自分だけ南極へ行くような防寒具で完全武装。笑いをとっているような演出ではないのだが、笑える。シャトナーが深刻な顔して演技するのでなおさらである。まあこうなる前に普通は死んでると思います。
ウィリアム・シャトナーはこういうパラノイア的な演技が結構似合う。よく見るとイっちゃてるような目つきなんだよね。それゆえか、『スター・トレック』でも決して模範的な船長というわけではなく、スポックのような冷静な補佐役が必要だった。ロバート・ワイズ監督は映画版『スター・トレック』でカーク船長を、台頭する若手の芽を摘もうとするイヤな上司に仕立て上げた。