第25話『よみがえれ!不死鳥』

プロジェクトXシリーズ第二段。ところでこのアニメを観ていて、たとえば18話のゴーチェが星飛雄馬にそっくりとか、24話の少女がちばてつやのマンガの女の子に似てるとか、不思議に思っていたのだがこれが意図的やっているのが明らかになった。「日本グランプリ」を決めるオートレースの実況解説者が水木しげるにそっくりなのだ。要するに業界パロディをやっていたのである。このレースでジョーと若柳はトップと競ってデッドヒートを繰り広げる。しかし若柳はバランスを崩し、スピン、。ジョーの車と衝突、大惨事だ。ここのシーンが結構迫力があっていい。劇場版のシーンをうまく使っているのだが。炎の前に若柳を抱きかかえて立つジョーがなかなか映える。
若柳は大した怪我ではなかったが、新聞の若柳レーサー引退の記事で愕然。009は見舞いに行って真意を問うたが、彼は精神的にすっかり自信を失ってしまったのだ。
来る「カリフォルニア大障害レース」に向けて、オーナーである太田モータース(モデルはホンダか?)は若柳のためのレースカー「フェニックス号」を開発したというのに・・・。倉庫の床からズズズとせり出してくるフェニックス号の雄姿!009「こ、これが車?」技術員の佐々木が青写真つきで解説する。「フェニックス号は完全な障害物用の車です。障害物用としては二つの装置があります。一つは車体下部から噴出しジェット噴射で、20秒間空中に浮かびます。もう一つ、ここから出る(フロントライト下部)レーザー光線は樹木を吹き飛ばせます。左右に張り出した翼は急カーブの時バランスを保ちます。」「うーん、すごい!」「エンジンはガスタービンジェット、加速用のロケットブースターが四つ、制動パラシュートが開きますから、高速を出しても安全です。これらの装置で、フェニックス号はマッハ1.5のスピードを出せるはずです。」「出せるはず?」他の機能テストは無人で出来るが、速度テストはドライバーがいなければ話にならない。そのテストドライバーを009にやってもらいたい、ということなのだ。
病室にて009「不思議だなあ、あんな素晴らしい車に乗りたくないなんて。」若柳「くだらんさ、レースカーなんて大人の遊び道具さ。」「そうは思わないなあ、レースカーは自動車開発のバロメーターだ。」「もうこれくらい車が増えればたくさんさ、タクシーがマッハ1.5で走って何になる?」「あなたの言うとおりなら、汽車も飛行機も同じだ、文明の進歩は止まってしまう。」「そろそろ止まってもいいんじゃないかなあ?これくらい進歩すれば充分だ。」「困った人だなあ、これじゃ話にならないや。まいいや、明日のテストは観に来てくださいね。」

広大な平野に1本の道路、テント内には計測機械を睨む技術員、いかにもテスト走行と言う雰囲気である。しかし、走行中に車は大爆発!大失敗!若柳絶望で倒れる。しかし001、ギルモアの調査でこの失敗には陰謀があることが判明する。ロケットの燃料は特殊過酸化水素「RB100」だが、入っていたのはTNT火薬だった(そりゃ極端だな)。ビデオ再生の結果、シャフトに傷が付いていた。何者かの妨害なのだ。しかしこの事実に若柳はなおもびびって車に乗ろうとしない。
犯人は不明だが、ギルモアの助言により再度フェニックス3号開発の決行をする。「社長、サイボーグは不死身ですぞ、テストでどんなことがあっても死にはしません(おいおい・・・)。おやりなさい。太田のレースカーは日本一いや、世界一。その車が優勝することは、日本の自動車界に大きな発展をもたらすことでしょう。」
009はアメリカから002、005までも召集する。実は009には若柳を更正させる一大秘策を持っていたのだ・・・。そして産業スパイの妨害の中、007映画もびっくりの阿鼻叫喚の第三回のテスト走行が始まるのだった。
当時の国産自動車産業への熱い想いを感じる話ですな。

18話から25話までの予告編