『ゴジラ FINAL WARS』その2(ややネタバレ)

X星人の円盤からすっかりX星人びいきになって帰ってきた総長。宝田明が、もともと胡散臭いメーキャップなのがいい。真面目そうな人物だったらひと目でおかしいと思うだろうが、この男だったら言い出しかねないからだ。しかし我らが主役たちは不審に思い、調査しだすのだが・・・ここのところはこの映画で一番まずいところだろう。事務総長を切りつけるなんて、それだけで世界的なニュースになってしまうはず。分子生物学者なら、唾液一滴、毛髪一本で人間でないと分かるだろう。あまりにも芸がなさ過ぎる。続いて犬を巡るトンチもモタモタしていて興をそぐ。一体いつの時代の映画だ?この辺、さすが平成ゴジラゴジラの歴史に泥を塗り続けた三村渉脚本という気がする。

で、バレたので、いきなり北村が統制官を射殺。自ら統制官を名乗り、男らしく堂々と地球侵略を宣言。「お前たちは・・・家畜だぁぁ!!!」別にサングラス取らなくても良かったんですが。ドン先生以下地球人とX星人とがガチンコ対決?この統制官=北村一輝の登場までが前半。

\(^o^)/「ガイガーーーン!起動ぉぉぉぉーーーー!!!!」
てなわけであのミイラ怪獣はガイガンだったんですね。表皮がボロボロとれる様が『ゴジラ対メカゴジラ』へのオマージュと見た。真の姿が露わになるシーンはワクワクしますね。
統制官は怪獣を自在にあやつり、地球の主要都市は(あっさり)壊滅する。ニューヨークもいつの間にか自由の女神も倒れてる状態(なんか『幻魔大戦』思い出すけど)。
辛くも逃げ切ったドン先生一行。もはや地球に残された最後の砦は轟天号ただ1艦・・・いいよ、この追い込まれ方。そしてドン先生の大決断。「これから南極まで行って来てゴジラを復活させ、怪獣どもを全部倒してもらい、その合間にX星人を壊滅させ、しかる後に方法は分からないがゴジラを南極に帰してまた氷の下に戻ってもらう。」という驚天動地の作戦を披露する。快諾する副官国村。いやー泣けます。それでこそ漢(おとこ)!

かつて後期の特撮は、怪獣プロレスと揶揄されていた。合わせてプロレスも差別されていたわけである。時代は変わり、それがどうした文句があるか、と言わんばかりの展開となる。
南極のシーンもまずいです。ゴジラがどこに眠っているのか定かではありません。なんか轟天がミサイル打ち込んだら、次のシーンではもうゴジラのアップ・・・いつ復活した?過去のどんな愚作でもここはお約束でちゃんと撮るものだが、これが斬新な演出と思ったら大間違いですぞ。ゴジラは今まで意識がなかったので、数十年前の轟天との続きをしていると思っていて、その間に下っ端だったドン先生が成長して艦長になっていた、という設定は面白い。
で、これはいかんと統制官殿は第一の刺客、ガイガンを放つのであった。けどあっさりやられます。ガイガンの放つ鎖釜を手でたぐりよせる様はなんだか人間みたいである。ここでこの映画の怪獣たちは福田監督映画のような擬人化された怪獣だと分かる。
で、ゴジラ轟天の後を追っていくのだが・・・ここで素朴な疑問だが、ゴジラが日本に着くまで一体何日かかっているのか?相当な日数だと思うが・・・その間にとっくに地球はX星人のものになっているだろう。
まあその疑問は全力で忘れることにして、ゴジラの行く手には次々とX星人の放つ刺客、怪獣が立ちはだかるのであった。
(つづく)