理科室でできる一般相対性理論の実証。

Joetip2004-03-02

最近、思うことがあって、アインシュタイン相対性理論の本を読んでいるのだが、なかなか面白い。相対性理論といえば、SF映画でおなじみ、光速に近づくとその物体と外の世界の時間の流れに差が出てくるという、いわゆる「ウラシマ効果」である。
かなりおおざっぱに説明すると、無茶苦茶速い宇宙船があって、それが光速に近くなるほど、船内の時間は外に比べて遅くなっていく、そして宇宙船の長さは進行方向に向かって短くなっていく、さらに質量が増える。そして光速に達した時!宇宙船の長さはゼロになり、質量は無限大(!)となる。これを想像することは容易ではないが、光速を超えることは不可能、ということでもある。
また、一般相対性理論によれば、重力が強いと周囲の空間が歪む!そのためやはり時間は遅れる。また、光も曲がる。圧倒的に重力が強ければ、光は吸いこまれ、時間は止まる。いわゆるブラックホールである。
このことは天体や素粒子の観察、実験によってすでに実証されている。ジェット機原子時計を搭載して飛行させると、速度と地球の重力の影響を受けて何十億分の1秒か、時計は遅れる。さらに身近な例では、カーナビで使用している人工衛星に搭載された時計は、飛行速度によるウラシマ効果(時間遅い)と地球の重力から離れる(時間早い)の両方のプラマイを考慮して地上の時計より100億分の4.45秒遅れるように設計されているそうだ。
ウラシマ効果は実際にある・・・竹内薫氏の「アタマにしみこむ現代物理」(サンマーク出版)によると、ある高校の理科クラブがこんな破天荒な実験を行ったとある。

一般相対性理論によれば)『太陽の表面(重力=28G、地球の重力の28倍)に置かれた時計は、地球のに置いた時計よりも6日間で1秒遅れる』これを『28Gの遠心力のもとに6日間さらされた時計は、机の上に置いた時計よりも1秒遅れる・・・わたしたちはそう解釈しました。』
というわけで、彼らは、遠心分離器の中にデジタル時計をいれて、それをぐるぐる回したのである。先生の説明によれば、その遠心分離器を1分間に448回、回転させたらしい、そうすると、遠心分離器内に太陽表面と同じ重力が作り出せる。なるほど!
そしてそれを6日間続けたところ、その時計はきっちり1秒遅れた。

ホントかよ!と言いたいがわたしはこれを読んで実に感動しました。遠心分離器内の空間が(遠心力によるみかけの)重力によって歪み、時間が遅くなった。よくSF映画で空間が歪んだ!とか言って画面がベローンとなるシーンがあるが、実際にあるのだ!こんなことが。こんな簡単に空間を歪ませられるんじゃあ、結構いたるところに弱小ブラックホールが出現してるんじゃないか?少なくとも洗濯機、ジューサーミキサー、綿菓子器の中は確実に時間が遅くなってるな。