『サイボーグエース』(つづき)

予想するに「すごい新兵器を繰り出し、遠距離から食人植物を撃破する」「赤ちゃんは実は囮の人形爆弾」ぐらいしか考え付かなかったのだが、サンデーを開いてみると・・・(グロ注意)


赤ちゃんは食人植物に拾い上げられ、あれよあれよと体中に触手をグサグサと突き立てられているではありませんか。赤ちゃん死亡!
「なぜだ!エース!」と詰め寄るケン。エースはケンに正面を向いて冷静に説明する。「計算してみたのだが、○○秒遅かった・・・」
つまりあの時点で全速でダッシュしても計算上間に合わなかった、エネルギーのロスだから動かなかったのだよ、ということだった。ケンは激怒。「あなたはやはり機械だ!人間じゃない!」この世界ではプラズマ星人に対抗できる者はエース以外にはいなかった。不測の事態を考えて無駄なリスクは避けるべきなのだ。分かってくれい、ケン、と言いたげなエースだった。しかしなあ・・こんなヒーロー前代未聞だと思うぞ。赤ちゃんがチューチュー吸われるシーンは『どろろ』の作画してた人だけあって殊更リアルであった。ショックでその後食人植物がどうなったか、全然覚えていません。

3話目はまた場面は転換して、確か海底都市か研究所の話だったと思う。ケンはエースを紹介するときに「この人は食事をしなくてもいいんですよ、定期的に電池を換えるだけで。」と殊更エースは機械だということを強調する。例の事件で二人の間には溝が出来てしまったのだ。これについては無言で通すエース。
しかしこの海底研究所には罠が仕掛けられていた。エースはこれにはまって、ボディが爆破される。床にエースの首がゴロンと転がるシーンの大ゴマで「続く」。
首を抱えて逃げるケンとゴロー。エースは死んだ・・・一体どうすれば。これまでの冷ややかな対応をすっかり反省するケンであった。しかし、見よ!エースの目がゆっくりまばたきしているのを発見する。しゃべれないエースはまばたきでモールス信号を送り、ケンたちにメッセージを与える。
それによればエースの秘密基地に予備のボディがあるのでそこへ連れて行ってくれ、というもの(ということはこの研究所はエースのものだったということか、正直言ってよく覚えていない)。色々あって、その部屋にたどり着くと、手術台みたいなベッドに首のないボディが横たわっていた。そこからエースの逆襲が始まるのですがあんまり覚えてません。研究所の気温が高くなって、客の誰かが星人のスパイだと分かる(一人だけ顔が崩れていく)というのがオチだったと思う。
そしてこれで終わりなんだよね。つまり打ち切りです。少年誌でどれだけ残酷描写ができるか競いあっていたかのような70年代ならではのマンガだったが、しかしエースの動きの描写が実によく(今にして思えばアニメーターだったからか)、ストーリーの流れもテンポがよく、水準以上の作品だった、と思う。復刻したら多分買うだろう。