第22話『復讐鬼』前編

脚本」/辻真先 演出/永樹凡人
辻真先氏のダークサイドが炸裂した怖い話。「怪奇大作戦」の1挿話といってもおかしくない。003が始終ひどい目に会うという、フランちゃん萌えの人にはたまらない一遍でもある。
刑務所で、ある囚人が狂死し壁に頭を打ち付けて死んでいた(1)。009独白「後になって考えると、これが事件の始まりでした・・・」
ビルのオフィスで社員の男がいきなり錯乱して窓から転落(2)。
新聞を読むギルモア。「ノイローゼによる自殺か・・・やれやれ文明が進むと詰まらん病気が流行りおるわい。」003とチェスをしている009。「まったくですねえ、犬や馬が自殺するなんて聞いたことありませからねえ。ほらフランソワーズ、君のビショップあぶないぜ。」003のファッションは、首は詰襟みたいになっていて右胸に花のワンポイントをあしらった白のツーピース。下はミニスカ。「そう?ここなら大丈夫だと思うけど。」「いや、こりゃあぶない、実にあぶない。」「うん、わかんないわ、お し え て♪」「(下に)落ちそうだからあぶないと言ったのさ、はははは。」「うんもう、イジワル。」なんだこりゃ (^^;)。
しかし003はしばらくビショップを凝視すると「キャー!!」叫びだした。「そそそこに怪物が!」「なんじゃと?」「別に変わりないよ、ほら。」「いや、近寄らないで!」そのまま外へ飛び出し、猛然ダッシュする003。「恐ろしい怪物が追ってくる〜!」その先は崖だ。すんでのところで003を捕まえる009だが彼女は完全に錯乱している。「フワンソワーズ!」「離して、離して!怪物に殺されるぅ〜!」009の腕の中で悶える003。009、003の頬をピシャリと張り倒す。「見苦しいぞフワンソワーズ!サイボーグ戦士の誇りを忘れてしまったのか!」(そんな誇りがあったのか、ていのいいカ○ワ者という認識じゃなかったのか)我に還る003。
研究室に戻って003の目を検査したところ、視神経がある薬品に犯されているらしい。003は体が痙攣しており、まだ怪物が見えるらしい。しかし気丈にも錯乱しないように耐えているのである。「ジョーお願い!私をこのベッドに縛り付けて!」ええ○×△ё!?「私を動けないようにして!でないとまた飛び出してしまう。」「博士、麻酔は打てないんですか?」「麻酔を打つと瞳孔が閉じてしまうわい。」(そういうものか?)しょうがないので003をベッドに縛り付ける。
間の悪いことに006と007がしゅうまいを届けにやってきて、ベッドの003を発見する。003「あ、まだ怪物がいる!」「はあ?」そこに009とギルモアがやってくる。「怪物だ!」003の目に付いていた薬品を着けたコンタクトを付けると、その怪物が見えるのだった。巨大なアメーバのような怪物が見えた。しかし006と007には見えない。009スーパーガンで攻撃するが、手ごたえが無い。
ある薬品を目に付けられると、怪物が見えるようになる。003はバレエ演奏中に着けられたらしい。いったい誰が何のために?
レーサー場にて、ある客が「怪物だー!」と錯乱。男は自動車で壁に追突して一命を取りとめる。ギルモア研究所にて療養する。男は会社重役の宮島(3)と言う。「ところであなたは怪物に心当たりは無いのかね?」「怪物どころか、どんな人間にも恨まれる筋合いはありません。これでも業界ではホトケの宮島と言われてるんです。」ギルモア博士の調べたところによると、子供二人を残して失踪した父親(4)、浪人生謎の失踪(5)などがこの1週間にあったようだ。
そうしている間にも、またしても怪物が現れる。こんどはギルモアと9367全員がコンタクトレンズを装着しているので皆が怪物を見ることができる。怪物は攻撃性も加えていた。スーパーガンで応戦しても分離するだけでまたひとつにまとまる。ほんとにアメーバのような奴なのだ。ギルモアの絶対零度まで温度を下げられる冷凍銃を掃射することで敵を固め、ようやく撃退することが出来た。001は憎しみの思念がここ周辺を渦巻いているという。
宮島さんが起き上がると、明らかに様子が違う。何かが宮島さんにとりついているのだ。「ふふふ、わしは復讐鬼だ、お前たちが白い怪物と呼んでいるものだ。わしは必ず帰ってくる、お前たちの薄汚れたねじけた魂を、呪いの炎でドロドロに溶かしてみせる!フフフハハハ。11人のどぶねずみメら・・・」というとばったり倒れてしまったのだった。11人というと後6人の犠牲者が出ると言うことか。最初の囚人はともかく、どの人もごく普通の人間で、お互い面識はなく、職業、性別年齢もバラバラだ。そもそも怨恨ならばなぜ003も入っているのか、謎は深まるばかりだ・・・。
(つづく)