『アウターリミッツ 完全版 2nd Season DVD-BOX 』

『アウター・リミッツ』もいよいよ3ボックス目である。この間、良質なドラマ、センス・オブ・ワンダーを提供してきた本シリーズであるが、スポンサー、スタッフの間では確執があったらしい。
「ABCネットワークは視聴率に比べて批評家たちからの評判が芳しくないことに不満を募らせ、その結果、予算面だけでなく、内容に対しても口を出すようになる。」(パンフより)
その結果ジョセフ・ステファーノは降板、替わりにベン・ブラディがプロデューサーに任命される。彼はABC編成部門担当の副社長であり、『ペリー・メイスン』『ローハイド』を手がけた超大物。
こういう「テコ入れ」はシリーズものではよくあることでありますが、この降板劇は功罪の両面がある。功の方は、ベン・ブラディは豊富な人脈を駆使して大物作家、大物キャストを投入、以前と比べてドラマ性が大幅に増した。そしてこのセカンドシリーズの作品は70〜80年代のSF映画ブームに多大な影響を与えることになる。
罪の方は、放映時間を月曜から土曜にシフトしたこと。視聴率アップを考えれば、当然のことに思えるが、逆に内容が高度だったために肝心の子供が観ず、逆に視聴率は下がってしまった。その結果、セカンドシリーズは17話で打ち切られる。欲を出したら返って寿命を縮めてしまったわけで、うまくいかないものですなあ、としか言いようがない。
しかし前に言ったとおり、レベルが落ちたわけではなく、消えかかる蝋燭のごとく、ドラマ、特撮、怪獣、宇宙人、とすべてがハイテンションの作品を次々と作り出したのであった。私も、印象深い作品はこの辺りに集中しており、ああ、脳みそが人間をあやつる話があったような気がするんだがこれだったのか、とか色々思い出すこと頻りである。
たとえて言えば、1ボックス=『ウルトラマン』、2ボックス=『ウルトラセブン』、3ボックス=『帰ってきたウルトラマン』と言えば分かりやすいであろうか(いや分からない)。
音楽もドミニク・フロンティアからハリー・ルビンに代わっている。