『アウターリミッツ 完全版 1nd Season DVD-BOX 2』

Joetip2005-06-09

拉致監禁される人々


第25話「第二の地球を求めて」
ウォーレン・オーツと言えば、サム・ペキンパーの映画の常連、特に男泣き映画『ガルシアの首』では主役を張って印象深いが、その延長線でこれを見ちゃうとたまげます。
なにしろほとんどのシーンで日除けゴーグルをつけて素顔が見えない。そしてゴーグルを取ると・・・やはり素顔は見えない(笑)。
しかし放射能の影響でミュータントと化した人間の悲劇を、W・オーツは演じきっていると言えよう。人より優れた能力を身に着けても賞賛されるどころか、今まで仲の良かった同僚からも気味悪がられ、疎外される。男は超能力を使って言うことを聞かせようとする。ますます周囲から反発を受け、超能力による暴力がさらに暴力を生むのだった。この男を一方的に非難することは一概にはできないだろう。
こういう陰惨な人間関係の舞台を、夜のない惑星にしたところがまたうまい。常にギラギラ照り付ける太陽がさらに焦燥感を煽るのであった。


第26話「二階にいる生物」
流れ者(このシリーズにはこういう人がよく出てくる)のノートンは、ひょんなことから人里離れた場所にある怪しげな大邸宅に入り込んでしまう。そこにはかつての大女優、老夫婦、薄幸そうな美少女の4人がいた。奇妙な取り合わせの彼らはまた、態度もおかしかったが、その理由はすぐ分かった。この屋敷は一度入ったら、二度と出られなかったのだ!そしてこの屋敷内では時間が進まないことを知る。彼らは数十年間この屋敷の「二階の生物」に囚われた身であり、以来まったく歳を取っていなかった。そしてノートンもまた二階に召喚されるのだが・・・
このシリーズの中ではファンタジー色が強く、完成度もそんなに高くないが、強く印象に残っていた作品。その理由はおそらく、「外部から隔絶された空間で終わらない日常を(それと知りながら)繰りかえす人々」「異なる時空間を生きる男女の悲恋」という日本人好み(ごく一部と言う説もある)の設定に萌えたからだろう。
ラストの光景が結構ショック。


第27話「宇宙の決闘
ニック・アダムスと言えば、東宝特撮映画で日本人ならば誰もが知っている俳優、特に男泣き映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』では主役を張って印象深いが、この作品ではしがないチンピラ役です。なんとなくニコラス・ケイジに似てる。
賭博場でのトラブルで警察に追われるマイク(ニック・アダムス)、逃げ込んだアパートのドアを開けるとそこは地球から何万光年離れたアンデラ星だった!「それではこれから皆さんに殺し合いをやっていただきます♪」アンデラ星人は宇宙から2対の星の人間を選び、その戦いぶりを見物して愉しむという、ローマ時代のグラディエーターみたいなことやっていたのだ。今回の対戦は地球代表マイクとローラ(ナンシー・マローン)VSカルコ星代表(ほぼケダモノ)のお二人、負けたほうの星は滅亡。拒否する二人だが、辞退しても地球は消滅すると言われ、渋々と出場する。アンデラ星人の妙に紳士的な物言いがおかしい。対戦場所はアンデラ星の衛星で、地球のジャングルみたいなところ。食料は三日分、飛び道具禁止。
フレドリック・ブラウンの小説『闘技場』を原作とした有名な作品。この「不条理な決闘」というパターンは、その後色々なバリエーションを生むことになる。私の世代で印象深いのは永井豪のマンガ『真夜中の戦士』か。
戦いを通して、人生を投げていたマイクが心のトラウマに立ち向かい成長していくというストーリーでもあります。