『人類SOS!(トリフィドの日)』(1963)

昔、よくTVで放映していたもんですが、一度シネスコサイズで観たいものだと思ってました。念願かなってシネスコ画面で見ると、やはり今まで気が付かなかった情報があります。院長が窓から飛び降りるシーンは、前のシーンで主人公の後ろでガラス越しに窓に走る様が写っているのですな。はっきり言って、後半がフランスやスペインという設定てのも今までちっとも気が付きませんでした(凱旋門のシーンなんてあったっけ?ここの特撮はよくできている)。
この映画、全体的にはたいした映画ではないのだが、前半のほとんどの人類が盲目になってしまったパニックの描写が結構怖く、そこだけでも見所があります。
特に列車が駅で脱線し、車両から目の見えなくなった人々がワラワラと出てくるシーンがすごい。この映画も後のゾンビものに影響を与えたと言われているが、それは主人公たちがトリフィドに取り囲まれてしまう状況を主に指している。しかし、この駅のシーンを見ていると、この目の見えなくなった人々の集団こそ、ゾンビものに影響を与えたのではないかと思えてくる。両手を前に出してうめきながらヨタヨタ歩く人々・・・不謹慎ながらこっちの方がゾンビとしか思えない。