『恐竜百万年』

このDVDは画質がいい。とにかく前編セリフがなく、ストーリーが展開する。今日びセリフがない映画を作ると、『サイレント・ムービー』(メル・ブルックス監督)のようなコメディをやりたくなるが、これはラブストーリーである。まったくすごい前衛映画ではないかと思った。『あずみ』の主人公は戦国時代でなんで髪の毛サラサラなのか、と非難されるが、この映画で原始時代なのになんでちゃんとセットされたブロンドでアイブロウした美女がいるのか、という非難はされない。これが映画の徳というものである。
レイ・ハリーハウゼンの特撮は物語が、煮詰まってくると恐竜が出てきて暴れるというパターンで、ちょっとインパクトに欠ける。恐竜はストーリーに直接関わらないので、単なる背景にしか見えないのが苦しい。