『アレキサンダー』

Joetip2005-02-11

アレクサンドロス灯台」!「バビロン空中庭園」!オーパーツ好きには堪えられない映像ですなあ〜。CGというのはこういう時のために使うものですね。全体にCG然とした描写は控えられている。代わりにギリシャ神話から抜け出したようなコスチュームの人々がアフガン山岳地帯や熱帯雨林をうろつくというマンガみたいな(しかし現実にあったであろう)光景が見られる。こういう場違いな人々を見るのは好きなので、退屈しなかった。『アギーレ神の怒り』を思い出した。メコン川(本物)のほとりで兵隊たちが「俺たちを殺す気か!」「いい加減故郷に帰らせろ!」とか反乱しそうになるシーンは正直笑った。ストーン監督は「現代の政治社会とは関係ない。」とインタビューで言っているが、連想しない方が無理。
ストーリーは親子のドロドロ愛憎劇みたいなもんで、まあ面白いものではない。こういう理由で東征した、というのは事実なんだろうが、ありきたりな気がする。また、なぜ彼が連戦連勝なのか、その戦術も分からない。少年のころ、馬を手懐けたっていうだけじゃなあ。「人種間の融和」という理想は言葉では出てくるが、どういうビジョンなのかは具体的には伝わってこない。
ヨーロッパには猿がいなかった。アジアで彼らは初めて猿と言う動物を見る。彼らはこの人間に似た動物を嫌悪する。アジア人差別の原型を見ているようだ。