伊藤若冲『花丸図』など。

いやーすごいもの見てきちゃった。伊藤若冲の「花丸図」(18世紀後半)!金箔の襖、壁にビッシリと201の花の絵が迫真の筆致で描きこまれています。観ているうちに脳裏に花の図柄が叩き込まれていくようでめまいがしてきます。雌しべの花粉のつき方、、葉が虫食いで変色している状態、枯れかかって葉がしなびている状態まで科学的に描かれている。貿易商の友人に各地から植物を取り寄せてもらって模写していったものなのだが、それでいて明らかに高い芸術性を感じるのだ。こんなシロモノをガラスも挟まず目の前で見られるなんて・・・往復3万円も使った甲斐があったというものだ。
伊藤さんは生涯独り者で引きこもりだったらしいが、正真正銘の天才。
また、その隣の間には「群蝶図」というのがあって、様々な蝶が部屋の上部をぐるりと囲んで描かれている。岸岱(がんたい)という人が18世紀に描いたもので、これまたものすごいリアリズムの絵で、一見してCG?と見紛うほどである。実際に収集された蝶を模写したものと言われている。
円山応挙の鶴の絵と虎の絵も良かったです。虎の絵を観た人は口々に「これ、猫だよね・・・」とつぶやいていた。実際猫がモデルである。仕方ないでしょう、江戸時代に虎を見た人はいないんだから。
応挙の「瀑布図」は、すぐ隣にある庭園の現実の滝と連動している(静かに観ていると水の音が聞こえてくる)というバーチャル絵画である。
高橋由一展もやっていて、有名な「鮭」が見られる!と思ったら11月3日までだった・・・代わりに「花魁」を展示していた。まあこれもいいんだけど。
特に「豆腐」と「鱈梅花」が印象深い。油絵で純和風なものを描く挑戦的な試み。西洋では描かれるはずもない豆腐や魚のヌメヌメ感がなんとも言えない。
それにしても過去の日本にはすごいアーティストがたくさんいますね。


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