第三話「強すぎた英雄」カンガルー男登場

カンガルー男と言ってもコスチュームはなく、外人レスラーなのである。ただ常人とは思えない怪力の持ち主だったということである。SMはカンガルー男を取り押さえようとしていたレスラーたちを悪人だと勘違いしてコテンパンにしてしまい、カンガルー男を取り逃してしまう。SMに一千万円の賞金を取られて恨みを持っている情報新聞社の社長はこれを好機と「SMは偽善者」とのネガティブキャンペーンを展開する。最初はタカをくくっていたユウだったが、一般市民は情報新聞の執拗な報道を信じてしまい、「SMは偽善者」論が定着してしまう。動揺するユウ(ナイーヴ過ぎる・・・)は汚名挽回になんとかカンガルー男を捕らえようとするが・・・
この話は後半唐突に細菌兵器が出てきてちょっとバランスが悪い。しかしSMが戦うべきもの、守るべきものが何なのか、ユウの中での迷いが早くも頂点に達してしまう重要な話でもあり、次回の傑作「にせスパイダーマン」編につながっていく。SMが自分を罵った大衆が細菌兵器で悶え苦しむ様を嘲笑うイメージ像が怖い。
ここでも不良は単車(ホンダ250cc)。映画『イージーライダー』の大ブレイクぶりがうかがえる。
(つづく)