若年性健忘症?または逆アルジャーノン効果

Joetip2004-02-06

きょうび30過ぎても若者気分でいられますが、35歳が分岐点という気がする。これを過ぎると、急激に老化が始まります!
正直言って、知力、体力、性欲とドーンと落ちたのにはかなりショックでした。特に記憶力がやばい。
その記憶力の落ち方といったら、あたかも記憶の砂が頭の隙間から流れ落ちていくザーザーという音が聞えてきそうな勢いである。

1.手に持っている物を手から離すと、その瞬間、その存在を忘れる。書類をその辺にほっぽらかすのは致命傷、絶対忘れる。
2.メモ書きしてもメモそのものを忘れるので、メモは自分の机の前に全部貼ってあります。前が汚くなるが仕方がない。とりあえず目の前にあると思い出す。
3.用事があってA室からB室へ移動すると歩いているうちに用事を忘れる。思い出すためにはまたAに戻らなければならない。
4.以前は人から「あれやったのアンタでしょ」と言われれば「あ、そうだったね」と思い出したが、今は「え、ホントに俺がやったの?」とまるで俺の名を騙る別人がいるかのように感じる。

今度「ペイチェック」という映画が公開される。この原作の「報酬」という短編は記憶をなくした男が記憶をなくす前に残した手がかりを元に謎に迫っていくというサスペンス調SFで、読んだ当初から映画化したら面白いだろうなと思っていた。この小説で面白いのは主人公が記憶のあった時の自分を客観視していることだ。過去の自分のことを「彼」と呼ぶのである。一体どこまでが自己なのか、なかなか哲学的なことを考えさせられる作品である。

もうひとつ発見したことは忘れるというのは結構気分がいいということだ。昔のマンガでカラッポの頭の中に風がヒューヒュー吹いてるという描写があるが、正にあんなイメージで、頭の風通しがよくなった、という感じである(やはり全然良くないよ・・・)。