『宇宙戦争』を観る。

Joetip2005-07-03


正直期待はずれ。前半は良かった。殺伐とした人間関係を70年代ニューシネマみたいなザラついた画質で描く。とてもSFとは思えない日常風景から突如現れたトライポッド君!修羅場に無防備で投げ出される人間を描くのがホントうまい。見ろ!人間がゴミのようだ!スピルバーグ的演出に関してはもはや円熟の境地に達している感がある。たとえばダコタちゃんが用を足そうとするシーンとか息子が逃げようとするシーンなどの人の心を苛立たせたり、逆なでする演出は絶品。しかし後半息子の問題とかキチ○イのおっさんとかの処遇で収拾がつかず。宇宙人の造形まったくやる気なし。どうせなら有名なタコ型宇宙人をCGで完璧再現とかすれば喝采したのに。脚本が悪いと言えばそれまでだが、それを通したのは監督だしなあ。スピルバーグ監督ですらあのおっさんを原作通り牧師(または落ちこぼれ兵士)という設定にできなかったのが今のアメリカ映画の限界。
ただラストシーンはなんとなくジョン・フォードの『捜索者』を連想した。