「唐招提寺展」

6日までということで、行って見た。予想以上の混み具合だった。これだけ向学心のある人々がいてもやはり日本の政治経済はダメなのか。期間中に30万人突破したというが・・・
正直、ご本尊の展示の仕方はいまいちだった。あんな安い台座に乗っけられて、ビルシャナ仏は居心地が悪そうだった。会場はものすごい人の数で、床は見えない。大体誰も手を合わせないというのは不思議だ。これがお寺に鎮座していたら絶対手を合わせて拝むだろう。どういうわけか、みんな「へー」と言う感じで珍獣でも見るかのような雰囲気だった。ご本尊がお寺を離れるのはこれは最初で最後だという話であったが、これで良かったのだろうかとふとギモンを感じてしまった。昔、現地の金堂で千手観音、薬師如来とともに拝見したことがある。あのときは迫力があったな。
鑑真和尚の像は素晴らしいものだった。これまたものすごい群集だったが。像を安置する御影堂は今まで薄暗い辛気くさい建物だと想像していたが、東山魁夷が10年の歳月をかけて昭和55年に奉納したふすま絵に囲まれた、豪華絢爛なものだった。このふすま絵はすごくてまたびっくりである。外側は日本の海、山を描いたもの、内側の鑑真像を囲む絵は桂州の山河、故郷楊州の柳などを描いた水墨画。これは予想していなかったので、大変感動しました。
最後の方にこの絵を前に実際に安置されている鑑真和尚の写真があるのだが、説明を見てびっくり。
撮影はヴィム・ヴェンダース
なんでヴェンダースごときが御影堂に足を踏み入れられるのだ。
写真はHPでも見られます。