影丸穣也 劇画『白鯨』1968年

Joetip2005-01-21

コンビニで復刻版を見かけたので、迷わず買ってしまったよ。
少年マガジン連載中に読んでました。というかこの時は『白鯨』目当てに読んでいたな(まあ買ってくるのは兄貴なんだが)。子供のころ面白かったものも、大人になってから読み返してみて、「なんだこりゃ?」と失望することってよくあるじゃないですか。しかしこれは今読んでみても、当時と印象が変わらない。とにかく影丸穣也氏の絵はすごすぎる!エイハブ船長狂ってます!人間を喰らうモービィ・ディック怖すぎ!エイハブ船長は映画判のグレゴリー・ペックをモデルにしていると思うが、こちらの方が迫力がある。今こんな線が描けるマンガ家はいないんじゃないか。
同じころ、影丸氏は『八つ墓村』の劇画も描いており、こっちもひたすら怖かった。野村芳太郎監督の映画『八つ墓村』の山崎務はこの劇画からインスパイアされてるんじゃないかと思える。
昔のマンガゆえ、『白鯨』も『八つ墓村』もストーリー的には子供向けに分かり易くなっている。主人公子供だし。しかし子供向けストーリーと絵のギャップが凄まじい。子供が相手とて容赦しないという感じがいいですな。
こういうのを見ると、60年代に生まれてて良かったなあと思う今日この頃(だから今キ○ガイになってるという見方もできる)。