熊井啓監督 死去

またも巨匠が亡くなる。ご冥福をお祈りします。
http://movie.goo.ne.jp/contents/news/NFNp-et-tp1-070524-0005/

今年4月の伊福部昭音楽祭の時ゲストの予定だったのが、急遽キャンセルされていたが、それとは関係がなさそうだ。直前まで元気で20作目の映画製作にやる気マンマンだったとのこと。

ご存知社会派の監督だが、合間を縫って時代劇とかメロドラマを撮った。作品の出来の落差が大きく、『サンダカン八番娼館』の大絶賛と『お吟さま』の不評ぶり(今で言うとラジー賞並の評価)が印象に残っている。正直言って遺作となった『海は見ていた』もいい映画ではなかった。残念だ。
スタッフでは音楽では伊福部昭、美術では木村威夫を重用した。
社会派なのに(?)巨人軍の熱狂的ファンで、よくスポーツ新聞にコメントが載っていた。
初期のモノクロ映画の硬質感がよい。とりわけ問題作『地の群れ』がものすごいインパクトで、昔テアトル新宿で観た時は気分が悪くなった。どれだけすごい映画かというと、生きたネズミとニワトリが本当に火達磨になる様を延々と撮っているのがオープニング・・・という感じ。観る機会は少ないが、新宿のツ○ヤには置いてあった。